IVRC2017予選大会に参加した際の展示設営方法やアレコレについて

投稿者: | 2017-12-09

9月14-16日に筑波大学エンパワースタジオで開催されたIVRC(国際学生対抗バーチャルリアリティコンテスト)の予選大会に出た話を書き残しておきます。

私たちは「The Rust of Us」という作品で出展しました。主に視覚、補助に触覚や聴覚を用いて錆びる体験ができないか、というものです。

いわゆるシュードハプティクス(Pseudo-Haptics)を目指してみたというやつですが、結果から言うと、あまり錆び感は提示できず、決勝まで進むことはかないませんでした。

使用機材は、HMDとしてHTC Viveです。錆びていくロボットになりきるため、全身をトラッキングするのに、両手両肘腰両足と7箇所にVive Trackerを使用しました。これに加えて、肘と足に、触覚として抵抗感が与えられるようなデバイスを付けました。

ここでは展示設営で何を気をつけたかというアレコレについてと、IVRC参加の裏話的な蛇足を書き残しておきたいと思います。

 

展示設営について

私は今までRiftやPSVRを大学のサークルなど個人で展示したことは有りました。RiftやViveの展示は企業ブースのアテンドをやらせてもらったりもしていましたが、複数展示ブースがあるところでのVive展示を自分で設営するのは初めてでした。

自分で展示する際に展示物一式と合わせて用意するべきものは、長机に使うテーブルクロスや、清潔さを維持するためのウェットティッシュやニンジャマスク、体験者の荷物入れ用のかご、解説用のチラシや分かりやすくシンプルなマニュアル等があるかと思います。そのほか、今回気をつけたところで干渉対策や配線事情について紹介します。

・Viveの干渉対策

今回の展示では隣のブースとの仕切りがないということで、Viveの展示干渉を考慮して、ハシラスの安藤さんが記した イベント展示でViveの誤干渉を防ぐ方法 ポータブルルームTips – MoguraVR を参考にして、黒マルチシートやアルミホイル等での設営を実施しました。

現地に行ってみると隣とのブース間に全面パーテーションがあったため隣ブースとの干渉はほぼありませんでしたが、正面向いのベースステーションがこちらを向いていたため、入口側に黒マルチシートを張る必要が出てきていました。しかし、入口側に張った場合、中の様子が見えなくなってしまいます。その時は、ゲーム画面を映せるモニタを幕の外へ出して、説明員がつく、のような形を取りました。(最終的にベースステーションの向きが変わったため入口側の幕は取ってしまいましたが…)

隣のブースとが全面パーテーションで仕切られていたり入り口に幕をかけたりすると、逆にブース内のスペースが狭くなり、足や腰のTrackerがたまにロストする状態が起きていました。ブースが1.8m四方であったため、両手を横に伸ばすとパーテーションにぶつかる可能性があり、且つ奥には長机が有り、ブースの体験スペースから少し前や後ろにずれると、足のTrackerや腰のTrackerが影に隠れてしまうようでした。これはなるべく中心にいてもらうようにしましたが、どうにも対処が難しい点でした。

ViveTrackerを使用した全身トラッキングはとても面白いのですが、十分な広さがないと満足に体験できないというのは、今後も気をつけるべき事柄だなと感じました。

・PCの配線

ViveTrackerを複数使用する際は、その数だけ受信用ドングルが必要になります。そして、ドングルはPCから離した水平な場所においてくれというのが取説に記載されています。

今回は計7個のドングルを設置しました。このドングルはUSBケーブルで繋ぐのですが、そもそもPCのポートが足りないため4つ口のUSBハブを2つ使っていました。そしてつらいのが、ドングルが軽くUSBケーブルのねじれによって簡単に転がってしまう点でした。そのため、養生テープでドングルを床に貼り付けるということをしました。

さらに、ベースステーション間はリンクケーブルで接続したり、電源コードやディスプレイケーブル、排熱補助にUSBファンなど、複数のケーブルがPCの周りにありました。これらをそのまま放置していると見映えも悪く、机の下に隠したとしてもごちゃごちゃしてしまうので、ドングルと同様な感じで極力養生テープで分けて留めていました。ベースステーションの電源やリンクケーブルにしてもパーテーションに沿わせた上で黒マルチシートの下に隠すように配線しました。テーブルクロスをめくるとすごいケーブル群が出てきますが、外部に見えなければよいのです……

・そのほかデバイスの紹介

今回のViveTrackerを身体に取り付けるときの留め方などを画像でいくつか張っておきます。全て1/4インチネジを利用しています。靴(サンダル)は裏側から直接ネジ、腰は坪倉さんの配布モデルのマウンタを利用してネジで、肘はバイクプロテクターの裏側からネジとワッシャーで、手はインチネジとGoProマウンタの変換を挟んだ上でGoPro用のハンドマウンター(Amazonリンク)を使い、ポゴピンでトリガー入力ができるように坪倉さんのマウンタを改良して挟みました。手の甲に設置したのは、VRZONEでマリオカートやドラゴンボールをプレイする際のViveTracker装着具を参考にしています。

蛇足

今回、リーダーとしてこのプロジェクトを動かしましたが、当初から問題点が多くあり、なんとか展示までこぎつけた、という状態です。あまり声高に言えないことですが、ちゃんとした製作開始から展示状態まで1週間程度でした。

我々の研究室では、参加者による企画出しの時点で大きく2つのプロジェクトが話し合われていました。この時点で研究室内の参加者はほぼ2分されていて、時間の都合でミーティングにあまり出れなかった私は、最初に出していた自分の案、研究室でいう3つ目のプロジェクトを、企画提出ギリギリにほぼ一人で書き上げることとなりました。

審査結果では、3つ中2つが通り、なぜか自分の企画が通ることになりました。書類審査ぐらいは通るだろうと内心思っていましたが、実際に通ってみると嬉しいものが有りました。しかし、ここで問題だったのが、落選グループがほぼ参加を取りやめたため、私のプロジェクトでの参加者が1人になってしまうということです。当初兼任してくれた方は、9月に国際学会へ行ったり留学があったりで参加できなくなったため、急遽新しく2人の方にお手伝いを依頼しました。

その結果、このプロジェクトの方針ややりたいこと、実現方法は私一人が抱え込む形になりました。もちろん、それを共有するのがリーダーの役目ですが、手伝っていただいた先輩もVR学会への参加があったため、時間を合わせることが難しい現状を、どうにもできませんでした。(リーダーになったため、当初VR学会参加予定だった私は参加を取りやめることになっていました。)

自分がUnityでのプログラム担当だったため、予選大会での展示で動作するところまでは行きましたが、「これはチームではなく、ただ集まってるだけだ」という状態になり、展示中もワンマンプレイとなり、結果的に多くの人を振り回す形になってしまいました。本当に申し訳ありませんでした……

ということで、チームでの企画を実現させるには要求されるシステム実装と展示の準備とやり方も重要ですが、ちゃんとチームメンバーとやり繰りしていくことが大事だなと、改めて考えさせられました。発想力と実装力以上に対人能力が必要でした。

今後のIVRC参加チームが様々な作品を生み出していくことを楽しみに卒業していきたいと思います。

それでは。